energy method の入口
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導入
このページの核心は、PDE の解を点ごとに追跡するのではなく、領域全体の積分量として制御することである。
用語と定義
energy method は、解や微分の二乗積分をエネルギーとして定義し、その時間変化を評価する方法である。
方針
波動方程式では運動と歪みのエネルギーが保存される。熱方程式では二乗積分が減衰する。積分による評価は、明示解がなくても有効である。
接続
energy method では部分積分や Green 公式が反復して現れる。境界条件が境界項を消去する役割を持つ。
波動方程式の例
u_{tt}=c^2u_{xx}、u(0,t)=u(L,t)=0 とする。エネルギーを
E(t)=\frac12\int_0^L\left(u_t^2+c^2u_x^2\right)\,dx
と定義する。E'(t) を計算し、部分積分と境界条件を使用すると、E'(t)=0 となる。これは明示解を使用せずに保存量を得る方法である。
計算は次の通りである。
E'(t)=\int_0^L\left(u_tu_{tt}+c^2u_xu_{xt}\right)\,dx
方程式 u_{tt}=c^2u_{xx} を代入すると、
E'(t)=c^2\int_0^L\left(u_tu_{xx}+u_xu_{xt}\right)\,dx
である。第一項を部分積分すると、
\int_0^L u_tu_{xx}\,dx=\left[u_tu_x\right]_0^L-\int_0^L u_{tx}u_x\,dx
となる。固定端では u(0,t)=u(L,t)=0 なので端点で u_t=0 となり、境界項は消える。残る二つの積分は打ち消し合うため、E'(t)=0 である。
熱方程式の例
u_t=\kappa u_{xx}、u(0,t)=u(L,t)=0 とする。\int_0^L u^2\,dx を時間微分すると、
\frac{d}{dt}\int_0^L u^2\,dx=-2\kappa\int_0^L u_x^2\,dx\le 0
を得る。熱では二乗積分が減衰し、波ではエネルギーが保存される。この差が方程式の性質を示す。
導出は
\frac{d}{dt}\int_0^L u^2\,dx=2\int_0^Lu u_t\,dx
=2\kappa\int_0^Lu u_{xx}\,dx
から始まる。部分積分により
2\kappa\int_0^Lu u_{xx}\,dx
=
2\kappa\left[u u_x\right]_0^L-2\kappa\int_0^Lu_x^2\,dx
である。Dirichlet 条件では境界項が 0 になるため、減衰評価が得られる。
外力がある場合
比較例として u_{tt}=c^2u_{xx}+F(x,t) を考える。この場合、
E'(t)=\int_0^L F(x,t)u_t(x,t)\,dx
となり、エネルギーは保存されない。右辺は外力が系へ注入する仕事率を表す。energy method は保存だけでなく、増加や減衰を不等式で制御する枠組みでもある。
どこまで成り立つか
非線形 PDE では、エネルギーが閉じた評価を与えるとは限らない。散逸・保存・外力の有無を確認する必要がある。